土屋歯科マガジン 2020年8月1日号 夏の食中毒

  • 夏の食中毒長い梅雨がもうまもなく終わろうとしています。これから30℃を超えるような暑い日が続くと、細菌による食中毒の発生が増加します。
    今私たちは新型コロナウイルス感染症予防のため、徹底した手指消毒を行っていますが、手洗いは食中毒対策にもとても有効です。

    しかし、この夏が今までと大きく違うのは、コンビニやスーパーのお弁当やお惣菜以外にも、飲食店の料理をテイクアウトして自宅で食べるスタイルが増加していること、レジ袋の有料化に伴い毎日の買い物にマイバッグを使用するようになったことです。
    私たちは食品の保存方法の他に、調理器具や買い物に利用するマイバッグの衛生管理にも神経を使わなければなりません。

    今回は夏の食中毒の予防と対策についてご紹介します。

  • 食中毒の原因、大きく3つ

    食中毒にあたった男女①細菌性(約60%)
    【感染型】<食品内で増殖した菌が体内に入ってさらに増殖したり、毒素を放出>
     ・・・腸管出血性大腸菌・サルモネラ・カンピロバクターなど
     
    【毒素型】<食品についた菌が増殖して毒素を出し、それを摂取することで中毒を起こす>
     :食品内毒素型・・・黄色ブドウ球菌・ボツリヌス・セレウス菌(おう吐型)など
     :生体内毒素型・・・ウェルシュ菌・セレウス菌(下痢型)など

    ②ウイルス性(約30%)・・・ノロウイルスなど

    ③自然毒
     ・・・動物性(フグ毒、貝毒など)
     ・・・植物性(毒キノコ、トリカブト、カビなど)

  • 食中毒菌の種類
    食中毒菌名 特徴 発育温度 潜伏期間 予防のポイント
    カンピロバクター 家畜やペットなどの腸管内に常在しているが、
    鶏の保有率が高い。鶏のたたきや
    加熱不十分による鶏肉料理で近年発生件数が増加。
    31~46℃
    (酸素3~15%)
    2~7日 75℃で1分以上加熱
    腸管出血性大腸菌
    (O-157、O-111)
    家畜の腸管内に存在、熱に弱い。
    100個程度の菌数でも感染。生食肉や未殺菌牛乳、
    汚染された井戸水などから感染した生野菜などから感染。
    35~38℃ 3~7日 75℃で1分以上加熱
    サルモネラ 河川や海など自然界に広く存在。鶏肉や鶏卵など、
    動物由来の食品から感染。
    発熱など風邪のような症状もみられる。
    6~72時間 熱に弱いため、しっかり加熱して食べる
    黄色ブドウ球菌 手指の化膿創や鼻咽頭、毛髪などに常在。
    毒素(エンテロトキシン)を生成。
    毒素は100℃で30分加熱しても無毒化しない。
    32~37℃ 1~5時間 毒素を生成しない10℃以下の低温で保存
    ウェルシュ菌 ヒトの腸管内にも存在、酸素のないところで
    増殖する嫌気性菌。熱に強い芽胞を形成。
    43~47℃ 6~18時間 カレーやシチューなどの2日めの再加熱は、
    底からよくかき混ぜて十分加熱する
    セレウス菌 おう吐毒と下痢毒を産生。そのほとんどはおう吐毒によるもので、米飯加工品や
    焼きそばなどで発生。芽胞形成菌。
    15~50℃ おう吐型:
    0.5~6時間
    下痢型:
    8~16時間
    焼き飯や麺類の作りおきはしない
  • 食中毒予防の3原則!

    つけない、増やさない、やっつける

    冷蔵庫・冷凍庫で素早く保存

    *食品の購入・・・新鮮な物、消費期限を確認して購入しましょう。

    *家庭での保存・・・持ち帰ったらすぐに冷蔵庫や冷凍庫に保存し、肉や魚の汁が他の食品や買い物バッグに移らないように注意しましょう。

    *調理前・・・手や食材はしっかり洗い、清潔な調理器具を食材によって使い分けるようにしましょう。

    *調理・・・加熱調理する食材は十分火を通し、加熱ムラを防ぐためしっかりかき混ぜましょう。

    *食事・・・食卓につく前にも手を洗い、食卓で生の肉や魚介を扱うときは専用の菜箸やトングを使用しましょう。

    *残った食品・・・室温に長く放置しないようにしましょう。温かい料理はきれいな容器に移し、できるだけ早く冷まして冷蔵・冷凍します。
    温め直す時も十分に加熱しましょう。時間が経ちすぎたり、少しでも怪しいと思ったら思い切って捨てましょう。